中の人と外の人~あるいは、SLの何が楽しいのか

Yoo

2009年05月13日 02:32


「中の人」がSLデビューで私Yooというアバターを創造したとき、中の人はこう考えていました。
Yooは「中の人」ではない。まったく違うパーソナリティを持った、仮想とはいえ「独立した」人間である、と。

今もそのスタンスは変わりません。このソラマメブログを含め、実際に動いているのは「中の人」なわけですが、Yooを小説家にとっての登場人物であるかのように捉え、そのように振舞っています。

そのはずです。

ですが、中の人は、ここへきて微妙な破綻(といっては言い過ぎか)も感じているところなんです。
中の人は騒々しいのが得意ではありません。
初対面の人と、出会った瞬間からワイワイ盛り上がれる性格でもありません。
昔から、そのような自分に不自由さを感じて生きていました。

Yooは別人格です。別人格は「中の人」とは似ても似つかないキャラにしたい。そう考えていました。

ですが、Yooがそうあり得たのは、ニューカマーとしての勢いのあった最初の3カ月だけでした。

やっぱりYooもおとなしく、人見知りが激しく、キラキラしたディスコで他のアバターと踊って盛り上がるとかいうのはうまくできません。フレ登録したお友達に誘われてパーティーなどにも何度か参加してみました。しかし、なかなかうまく会話のリズムに乗れない。せっかく誘ってくれたのに、周りのお友達たちも私のことを物足りなく思っているんだろうなと、なんだか申し訳ない思いに苛まれます。

そんなわけで、皆さんいい人なのはわかっているのですが、その人たちが集うカフェとかから、何となく足が遠のいてしまいました。

何カ月かしてそのカフェに思い切って行ってみました。
いつも大勢集っていたそのカフェには、しかし、誰もいませんでした。
オーナーが突如インしてこなくなり、ものすごい盛り上がりだったコミュニティも自然消滅してしまったようでした。

そうなってくるとさびしいと思う私がいました。まったく勝手なものです。

今の私は、INしている時間の大半を、四方を壁に囲まれ、テレポート以外では出入りのできない空間で、オブジェクトに怪しいスクリプトを組み込むことに喜びを見出しています。実は「中の人」の実生活と大して変わりません。結局そこに収束するのね、と、アバターとしてのYooも思うのでした。

でも、やっぱりそれだけじゃね、とも思い、ひっそりお店屋さんごっこも続けているわけです。最近、ドイツの人が運営しているSIMにお店を借りました。英語の説明書を付けたオブジェクトを売っていますが、ハッキリ言って売り上げはほぼゼロです。ですが、ここで黒澤映画が好きというイタリア人と、日本のゲームが好きで片言の日本語を覚えたという香港人の友達が出来ました。イタリア人とは何週間かごとに唐突に英会話が始まります。切れるか切れないかという関係を何年も続けるというのはこれまた「中の人」の交友パターンなのです。

結局は、そういうことのようです。
意見